バルバロムの思考迷路

思ったことを書く。いいことも悪いことも。要は掃き溜め

常識とはなんだろう

 

「あなたの常識力チェック」「非常識だと思われないために」

 

こんな言葉を時たまインターネットで見ることはありませんか?

「自分って常識あるのかなあ」と考えるかもしれませんが、そもそも常識とは一体何なんでしょうか。

 

 

国語辞典によると

① 一般人の持つ考え。普通の見解。

② (英 common sense の訳語) 社会人として当然持っている、持っているべきだとされる知識・判断力。

③ 哲学で、人類全体に共通する能力で真理、道徳をとらえる直覚をさす。

 

となっています。

また、この言葉は、漢字の「常」と「識」からできています。

「常」は「いつものこと、日々」とか「普通、平凡」といった意味があり、「識」は、「状況や状態を感じて知る」という意味があります。

漢字の意味から察するに「常識」とは、日々の普通の状況の知識といえます。

すなわち、1+1=2というのは学問的な知識ではありますが、常識ではないのです。

(ただ、この程度の算数能力を有さないと常識を読み取れないでしょうが・・)

 

また、別の時点ではこう書かれています。

「ある社会で、人々の間に広く承認され、当然もっているはずの知識や判断力」

一定の範囲内の人々のなかにある普遍的真理と考えられます。

この場合1+1=2であることは人々の間で広く承認されており、当然持っている知識なので、「常識」といえるでしょう。

 

人々は、科学的真理とともにこの「常識」をもとに社会生活を送っています

集団生活の円滑化のためのツールとして機能しているのです。

 

 

 

しかし、常識は、「太陽は東から昇る」のような絶対不変の真理ではありません。また常識=正義でもありません。

 

たとえば、「飲み会の席での最初はビール」、昔は、サラリーマン界隈では常識とされていましたが、今はそうではありませんし、最初にビールを頼まないことが悪ではありません。

 

常識は、どの国、文化、社会環境でも不変の真理(※1)でもなければ科学的根拠(※2)のあるものでもありません。

(※1真理とは「人を殺してはいけない」という不変の、正しい物事の筋道。真実の道理。のことです。「人を殺してはいけない」が真理かどうかについて、議論は分かれますがそれはまた別の機会にしましょう)

(※2 昔は部活動なので、うさぎ跳びが良いとされてきたが、今はそうではなくなったなど、昔では常識でったが、科学的根拠には基づいていなかった、それどころか反していた)

常識は、国、地方、家庭、もっと言えば個人の価値観でも違ってきます。

時代などの時間に対しても、不変ではありません。

これらをまったく疑わずに正しいもの・善だと思い込んでいると、手痛い失敗やトラブルを引き起こすことでしょう。

 

日本でも理不尽な常識は蔓延しています。

「定時をすぎてすぐ帰るのは常識がない」

「家庭を持たないのは常識がない」

「ささいな違いで起こる差別」

「空気を読まなければいけないという観念」

「え~?童貞?童貞が許されるのは小学生までだよね~」

 

などなど

 

もう一度言います。常識というのは絶対的に善でもなく不変でもありません

常識は変化していきます。つまり変えられるのです。

おかしいなと思ったら、声を上げて広く周知し、同意を求める。今のネット社会では、昔より常識は変わりやすくなったと言えるでしょう。

 

アインシュタインはこんなことを言っています「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクション。」

社会人になると様々な暗黙の常識に縛られます。

ですので、いま生徒や学生の人たちは、常識に囚われず、知見を広げることをお勧めします。

特に大学生、小中高より、自分で講義を選べ、また、自由な時間も多くあります。

その間に多くのことを経験してください。

その経験があなたの財産となりペルソナとなるでしょう。

引き出しの多さは人間としての魅力や強みの多さです。

一見興味のないことでも体験するだけ体験してみましょう。

 

もともと多くのことに興味のない人間が選べることに甘んじて、何も選ばなくなったら、大人になったときにつらいです。

私の経験としてお伝えいたします。

 

何もクラーク博士のように大志を抱く必要もありません。学生社長のように大きな夢を持つ必要もありません。周りを見渡し、小さなことにも興味を持ち、学び、体験し、吸収してください

 

毎日が同じ日々の繰り返し、何が自分の強みで、何が好きかもわからず、どこかに光明があると信じつつも、どこにどうやってたどり着くのかを知らず、ただその場に立つだけの大人、いや呼吸するだけの屍にならぬよう、自分を創りあげてください。

 

これは生きた屍となった私からの遺言です。

 

また、色のない今日が始まる

空はこんなに青いのに